トランプ大統領の誕生で買われる銘柄と為替の動向


2016年11月9日午後4時30分過ぎ中央メディアがトランプ氏の当選確実を伝え、 トランプ氏が勝利宣言をした。 8年ぶりに共和党政権が誕生し、2017年1月からトランプ政権がスタートする。選挙期間中はクリントン氏優勢の見方が大勢を占めていたが、結果は組織力および資金力でクリントン氏に及ばないトランプ氏が勝利をおさめた。

新たに大統領となるドナルド・トランプ氏は、 不動産王で、これまで政治家としての経験がない。メキシコとの国境に壁を作る、 不法移民1000万人強制送還する、 イスラム教徒の入国禁止といった過激な発言で話題を集めた。
また自由貿易協定がアメリカの製造業に致命的な打撃を与えるとしてTPPからの脱退を示唆するなど、国益最優先を掲げて現状に不満を持つ有権者の支持を集めた。

保護主義的な政策を打ち出していることと、先行きが見通しにくいとのことからリスクオフムードが高まり、2016年11月9日の日経平均株価は終値で919円下げる大幅安となり、安全資産とされる金に買いが集まった。またカナダの移民情報サイトがアクセス集中でサーバーダウンするトラブルも発生した。

トランプ氏の発言の中には、日本の核兵器保有を容認したり、在日米軍の駐留経費の日本の負担を増額するなど日米の安全保障に大きな影響をもたらすものもあることから、日経平均構成銘柄が全面安となる中で防衛機器や銃火器などを手掛ける東京計器(7721)や豊和工業(6203)、細谷加工(4274)といった防衛関連銘柄が買われれた。

そのほかトランプ氏は公約の中で積極的なインフラ投資と法人税の大幅減税(現行の35%から15%)、所得税の減税を掲げている。建設機械を手掛ける小松製作所(6301)や竹内製作所 (6432) 、キャタピラー(米企業)や小松製作所に建設機械用の油圧フィルタを提供しているヤマシンフィルタ(6240)、アメリカでの塩ビ事業に強みを持つ信越化学工業(4063)、 カルフォルニアに工場をもつ太平洋セメント(5233)などが注目される。

勝利宣言の演説ではこれまでの過激な発言は息をひそめ、分断した国内の融和を図り諸外国とも協力していくなど比較的フレンドリーな内容であった。また積極的なインフラ投資によって財政赤字が拡大し米国債の実質金利が上がるとの思惑からアメリカの長期金利が急上昇した。このようなことから一時101円台前半まで進んだ急激な円高は、トランプ氏の勝利宣言で反転し、NY株式市場が開くころには104円台まで回復した。
公約には、リーマンショックで強化された金融行政に対する規制(ドット=フランク法)を撤廃することが盛り込まれている。これに加えて長期金利の上昇で国債などでの運用がしやすくなることからNY株式市場では金融セクターが上昇した。翌日の日本株市場でも米国につられて保険、証券、銀行株が上昇し、業種別値上がり率ランキングでトップに躍り出た。

大統領選挙前後の為替(ドル円)の推移

大統領選挙前後のドル円の動き



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